R08.07 会派視察 一日目①

本日から所属する県議会の会派新政策議員団の視察研修。

最初は、東京竹芝にあるソフトバンクさんへ。

1 オフィスツアー(働き方改革・DXの実践)

ソフトバンクでは、社員同士のコミュニケーションを重視したオフィス設計が行われていた。
フロア中央に会議・コミュニティスペースを配置し、さらにフロア内に階段を設けることで、部署を超えた横・縦の交流を促進している。

また、徹底したペーパーレス化が進められており、デスク上に紙がある社員はほとんどおらず、約98%のペーパーレスを実現。
5,000人規模のオフィスに対して固定席は半数程度とし、一人ひとりにロッカーを設置するフリーアドレス制を採用している(しかもそのロッカーもほとんど利用しない)。
コピー機もフロア全体で4台のみとなっていた。
はさみなどの文具は、そのコピー機のところに置いてあるだけ。

社内コミュニケーションは電話ではなくチャットが中心で、会議や日程調整、資料共有もクラウド上で完結。
IoTセンサーやAIを活用した備品管理、社員サポートセンターでは約15,000人の問い合わせにAIが対応するなどして業務効率化が徹底されていた。

特に「DXはデータという土台が整って初めて進む」という考え方の下、全てが勧められており、印象的。

2 ソフトバンクのAI・デジタル戦略

ソフトバンクでは、
「AIの社会実装による新しいデジタル社会の実現」
を掲げ、次世代社会インフラの構築を重点分野としている。

重点的な取組は、
・AIデータセンターの整備
・国内でデータを完結できる「ソブリンクラウド」
・国内でAIを安全に利用できる「ソブリンAI(Sarashina)」
など。

自治体向けには、
国内でデータを管理する安全なクラウド環境を活用し、
住民サービスや行政業務への生成AI導入を提案している。

3 人流データを活用したEBPM(Agoop)

ソフトバンク100%子会社のAgoopでは、
スマートフォンアプリ等から取得した人流データを分析し、政策立案(EBPM)に活用している。

人流データから、
・市内・県内・県外からの来訪者割合
・観光地や道の駅などの来訪状況
・時間帯ごとの人の流れ
などを把握。

個人を特定できないよう町単位などにラベルを付ける形で匿名化している。
→業界ルールとして運用されている。

さらにAIを組み合わせることで、
データ分析にかかる時間を短縮し、政策議論へ迅速につなげることを目指している。

4 自治体DX・生成AIの活用

自治体では、
人口減少による職員不足や人事異動により経験やノウハウが蓄積されにくく、
生産性向上が大きな課題となっている。

特に、
・イレギュラー対応
・関係機関との調整
・議会対応
など、定型化できない業務の負担が増えていて、ノウハウの蓄積が課題。

ソフトバンクでは、こうした課題に対し、
・ペーパーレス
・Web会議の標準化
・業務用スマートフォン
・Googleカレンダーによる日程調整
・クラウドでの資料共有
・生成AIによる議事録・復命書作成
などを組み合わせ、時間や場所に縛られない働き方を実現している。

自治体向け生成AIでは、
職員が独自のプラグインを作成できる仕組みも提供されており、
庁内の知識やノウハウを「集合知」として共有することで、
引き継ぎ書に頼らない組織づくりを目指している。

奈良県では、生成AI導入時に「議会軽視ではないか」との議論もあったが、
実際には資料作成などの事務負担を軽減し、
本質的な政策議論に時間を充てられる効果が確認されている。

一方で、自治体ごとに異なるサーバー環境や既存システム、セキュリティの違いなどから、
本格的なAIエージェントの導入には一定の時間が必要との説明があった。

所感・・・
今回の視察では、ソフトバンクのDXは単なるデジタル化ではなく、
「働き方そのものを変える改革」であることを強く感じた。
特に、ペーパーレスやチャット、クラウド、生成AIを個別に導入するのではなく、
一体的に運用することで大きな効果を生み出していた点が印象的であった。

また、自治体においても職員減少が進む中、AIは職員を置き換えるものではなく、
事務作業を効率化し、
職員が住民対応や政策立案など本来注力すべき業務に
時間を使える環境づくりに活用することが重要であると感じました。
さらに、人流データなど客観的データを政策立案に活用するEBPMの取組は、
今後の行政運営において有効な手法であると認識しました。

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