会派視察 R07.07②

会派【新政策議員団】の視察研修二日目。

  1. 洛風中学校:不登校特例校の制度前からの取組、など
  2. 亀岡市:オーガニック、など
  3. ㈱ビオかめおか:農業スクール、など

洛風中学校について

人と 学びと 社会と つながる学校

平成15年11月から「京都市不登校生徒学習支援特区」に認定され、
平成16年10月「京都市立洛風中学校」として開校
平成17年7月:不登校児童生徒を対象とする特別教育課程を編成して教育を実施する学校に指定される。

統廃合で空いていた校舎を活用
定員は40名(昨年は60名在籍)
今年は1年生7名、2年生14名、3年生24名
京都市内全域からだが、他市町村からも受け入れる
5月1日が入学日
1年生だけでなく、毎年少しずつ全学年増えていく
縦割りの4学級でクラス編成
年間授業数は770単位時間(他の学校は1015単位時間)
授業のオンライン配信は現在は行っていない(特にニーズはない)
前の学校でできなかったことをここでやってみる(楽しいことも、しんどいことも)
失敗体験を繰り返さないように、、、

異なる小集団の中で過ごすことで、
他者とつながり、
自分を受け入れることができるようになる

学年行事や授業で、、、
人とは違う自分の個性に気付く
人よりも優れた自分の得意を知る

縦割り学級の活動や行事、清掃で、、、
個性を安心して発揮できる
他人の得意を認められる
自分の得意を生かせる

→そのことで自分も認められるようになる

カウンセリングに来る生徒もいるし、
保護者が相談に来ることもある

目指す学校像に
「仲間」という言葉があるが、、、
・・・不登校の子たちにとって、「友達」をつくるのは少しハードルがある
なので、その手前、まずは「仲間」をつくれるように、、、と

教職員らスタッフは、
・豊かな感性とやわらかな心で生徒や保護者の困りに寄り添う
・・・困る前に声をかける、、、ではなく
・互いに語り合い、互いの話を聴き合う組織の一員として楽しんで働く
・・・大人の楽しそうな姿をみせる

そんな話が印象的でした。
学校に行き辛くなっても、自分らしさに気が付き、他者のことにも気が付き、
ゆっくりでも歩んでいける力を身に付けて欲しい、、、と思います。

・・・・・・・・・・・

亀岡市へ。
昼食は亀岡市の小町カフェさん。
(地方へ視察をお願いすると、受け入れる入れる代わりに「泊って」「食べて」「買って」というのが暗黙ルール)
午後、有機農業などの取組を聞くことになっているので、オーガニックのランチ、、、ということでこちら。

亀岡市のオーガニックの取組について

・オーガニックビレッジ宣言
・有機農業の学校給食

○亀岡市
・京都府の中央、京都市の西隣
・古くは明智光秀
・1町15村が合併して市政70周年
・秋から春まで霧がきれいなまち
・京野菜と黒毛和牛がふるさと納税で人気
・トロッコ列車や保津川下りが人気
・Jリーグの京都サンガのホームスタジアムがある

オーガニックビレッジ宣言

○なぜ有機農業に取り組んでいるのか

  1. 世界に誇れる環境先進都市を目指す
    ・保津川下り、、、保津川にゴミが散乱、、、船頭がゴミ拾い
    ・2021年からプラ製レジ袋を有料でも配布しない、、、とした
    →今現在、99%がエコバックを持参
    ・使用済みオムツの再利用
  2. アートとのコラボによる地域活性化
    ・アートとのコラボ、、、
    ・日常生活の中にアートがある、、、
    ・野菜をつくる農家もアーティスト、野菜もアート
    ・「野良」の芸術を育てることを目的とした芸術祭
    かめおか霧の芸術祭
  3. 農作物の高付加価値化、農業の担い手確保
    ・農業をしたいという人の8~9割が有機農業をしたい、、、という
    ・で、実際に新規就農をした92名中39名(42%)が有機農業を実践
    ※しかし、有機農業を指導できる人がいない、、、
    →ならば、亀岡市で有機農業の指導をする人がいれば、移住者が増えるのでは?

 

 

○これまでの取組

2023年の2月にオーガニックビレッジ宣言
1 地産地消・給食への拡大
2 有機農業の学校
3 独自認証制度
4 保津川公園へ(オーガニックビレッジパーク)

学校給食は、まずはお米から、、、
令和6年、、、給食への有機米の提供が、73%となっている
(足りなくなったら普通の亀岡の米)

農業をする上でのハードル
・農地を借りることができない
・施設費が高い
・販路の確保

○これからの取り組み・課題など

Q.完全な有機農業と減農薬は?保護者や子どもたちへは?

A.中学校は令和10年から。今は4900食を。アレルギーがなくなるなど長い目で見ればいいことがある、、、と考えている。子どもたちにも虫食いなどは美味しい証、、、と。
A.ヨーロッパでは、有機野菜を購入する人の半数ぐらいは、「環境に良いから」という理由。

Q.コスト面は?
A.現在、250円を食材費として徴収している。今現在、50円以上オーバーしているが、それは市負担。昨年は4000万円。

Q.現在の地元産の比率は?
A.キャベツは30%、ニンジン15%、玉ねぎ12%、、、など

…現在の有機農業の取組自体は、まだまだこれから、、、ではありますが、大きく宣言をし力強く向かっていこう!という姿勢はとても頼もしく感じました。
また、大規模、効率化、、、を目指すだけではなく(生計を立てる農業だけではなく)、
広い意味での農業の担い手を育てるという取組(オーガニックビレッジパーク)などは、
今後の展開に注目です。

環境問題についても、脱炭素、ごみゼロ、、、と宣言し、
市役所入口にあった回収ボックス(下記写真)は大注目!

左から2番目から、
豆乳などの飲料が入っている内側が銀色の紙パック
浄水器のカートリッジ
ステンレスのボトル(水筒など)

は、素晴らしい取組(回収ボックス!)と感じました。

企業さんと協力して、、、ということですが、
こういった形で素材ごとの回収でリサイクルがし易くなる、、、
(「プラスチック」と言っても、素材・成分が異なり、サーマル以外のリサイクルが広がらない一因とも言われる)
もっと多くの自治体で広まれば!!と思います。

県から県内企業を中心に投げかけれないか、、、提案したいと思います。

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㈱ビオかめおか

オーガニックnicoは、
亀岡市オーガニックビレッジ宣言を人材育成面でサポートするために
㈱ビオかめおかを設立し、スクール事業の運営を受託した
亀岡オーガニック農業スクール

 

代表取締役のNさんは、
電機メーカーで技術屋をしており、40代後半から有機農業へ転職
データ活用型有機農業
→誰がやってもそれなりの結果が出せる!

・有機野菜事業部
・アグリサイエンス事業部
がある

亀岡オーガニック農業スクール
・プロ養成コース:面接を何度もして、講座を受けて貰う
など3つのコースがある

販路、農地、、、など、就農するにはハードルが高い
(農地は個人へはなかなか貸せない、、、など)
→ビオかめおかで借りる
→助成金の申請の手伝い

Q.有機農業をしている人とそうでない人の意識の差、周りの困った声などはないか?
A.深刻な話はないと思っている。が、畔や農場の草刈りはきちんとするようにしているし、水利組合や地域の会議などにも積極的に出て、コミュニケーションをとっている。JAには出荷はしていない。

Q.オーガニック、有機JASなど、一般の方に受け入れられているか?
A.直売所では有機JASなどは嫌がられることが多い。
Q.慣行農法に比べると?
A.慣行農法に比べるとコストは2~3割増しになる。技術がないと、歩留まり率が3割ぐらいになる。技術があると8割。上手くやる人は、慣行農法と同じぐらいはできる。技術レベルが高くなると利益が出る。
Q.味は良い?
A.卸先を選ぶことになる。今、オーガニック系の業者も増えている。価格は、慣行農法の作物の2割増しから2倍ぐらいになることも。

Q.農地の担い手確保のためにも、食糧自給率を上げるためにも、新規就農の支援について、行政がもっとすべきと思うが?
A.国の50歳までの新規就農の支援はあるが、それ以外はない。
Q.農業スクールについては?
A.スクールの運営費用は、880万円の委託契約(亀岡市と)。これらは、ほとんどが養成講座の講師謝礼などとなる。

スクール生がやっている圃場を見学しながら、、、
・元の土づくりは共通の技術、そこから作物固有へ
・農業普及センターは、慣行農業だろうが、オーガニックだろうが、相談に乗ってくれる
・「京野菜」、京のブランド野菜は、JAを通したものだけ
・JAも、ブランドを守るのに精一杯
・生態系をつくる
・抵抗性を高める土づくり

感想)
農業を学びたい方、、、様々な段階があるかと思いますが、一番の基本である土づくりを中心に学べる場所であり、ニーズが高まりつつあるオーガニックについても実践できる場所でありました。
そして、本気でやりたい方へは利益がでる技術、初歩から学びたいという方には基礎の学びを提供し、就農を支援する体制を持っている、、、学んだところで過程を修了後も面倒を見てくれるのは、良い、、、と思いました。
この地から、農地の荒廃防止、食料自給率アップだけではなく、環境に負担をかけない農業、体に優しい農作物が増えることを期待したいと思います。

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