委員会県外視察 R08 県民文化健康福祉委員会②

常任委員会の県外視察二日目、午前中は、
③社会医療法人母恋 天使病院さん

周産期医療の現状と課題について調査。

社会医療法人母恋 天使病院を訪問し、
北海道における周産期医療の現状と課題、
妊産婦への支援体制について説明を受け、意見交換を行った。

同病院は、地域周産期母子医療センターとして年間約700件の分娩を取り扱い、
小児外科や高度な周産期医療にも対応している。
一方、産婦人科医の確保は厳しく、
常勤医師7名のうち夜間対応が可能なのは4名であり、
他病院からの応援を受けながら診療体制を維持している。

北海道では、地域によって分娩施設の減少が進み、
遠方の医療機関で出産せざるを得ない妊婦もいる。
特に冬期間は交通事情が厳しく、
出産前から医療機関の近くに滞在できる環境が重要となっている。

こうした中、同病院では妊婦用長期滞在施設「アンジェリークコア」を運営している。

東日本大震災の際、福
島県で出産場所を確保できない妊婦がいたことをきっかけに整備された施設で、
1日2,000円で利用できる。
現在も利用需要は高いものの、施設運営に対する行政支援はなく、
収益事業ではないことから、維持管理が課題となっている。

意見交換では、今後の産婦人科・小児科医療について、
医療資源の集約化は必要である一方、
地域に最低限の診療・対応機能を残すことの重要性が指摘された。
また、妊婦の滞在施設は、上の子どもを伴う場合などにも有効であり、
安心して出産を迎えるための重要な支援策であることが確認できた。

今回の視察を通じて、
医師不足や分娩施設の減少が進む中、高度な周産期医療の集約化と、
地域で安心して妊娠・出産できる環境の確保を両立させる必要性を改めて認識した。
長野県においても、
中山間地域を多く抱える地理的条件を踏まえ、
地域の医療機関との連携や、
遠方での出産を余儀なくされる妊婦への宿泊・滞在支援など、
切れ目のない周産期医療体制の充実が重要であると感じた。

続いて、、、特急北斗を利用し大移動。
やはり北海道は広い!

15:00厚沢部町へ。
全国初の「保育園留学」と子ども主体の保育による地域活性化について、
ということで調査。
④認定こども園はぜる

北海道厚沢部町では、「世界一素敵な過疎の町」を目指し、
子育て環境の充実と関係人口の創出に取り組んでいる。
今回、全国初の「保育園留学」を実施する認定こども園「はぜる」を視察し、
その取組や成果、課題について調査した。

同園は、町内3か所の公立保育園を統合して約8年前に開設。
「世界一のこども園をつくる」という理念のもと、
現場の保育士の意見を取り入れ、
子ども一人ひとりを大切にする主体的な保育を実践している。
運動会や遠足なども、子どもたちの興味や意見を尊重して内容を決めるなど、
自ら考え、行動する力を育んでいる。

令和4年度から始まった「保育園留学」は、
都市部などの家族が2週間ほど町内に滞在し、
子どもを園に預けながら、
保護者はリモートワークや地域での暮らしを体験する取組。
令和6年には168家族、令和7年には240家族が利用し、
令和7年度までに9組の家族が移住するなど、
関係人口の創出から移住・定住へとつながる成果を上げている。

また、町外から訪れる子どもたちとの交流は、
地元の子どもたちにとっても新たな出会いや刺激となっており、
保育園留学が地域の子育て環境にも好影響を与えている。

一方、留学利用者数の変動に応じた保育教諭の配置やシフト調整には苦労もあるが、
国の配置基準を上回る職員体制を確保し、柔軟に対応している。
特色ある保育を求め、町外から就職を希望する問い合わせもあるという。

意見交換では、
子ども主体の保育を小中学校へどうつなげるかについても議論があり、
現在検討が進む義務教育学校への期待が示された。

今回の視察を通じ、質の高い保育そのものが地域の魅力となり、
関係人口の創出や移住促進につながることを実感した。
また、子ども主体の学びを実現するには、施設整備だけでなく、
保育者の意識改革や十分な人員配置、職員同士が支え合う体制づくりが重要であると感じた。

人口減少が進む地域において、
子育て・教育を地域づくりの中心に据える厚沢部町の取組は、
長野県にとっても大いに参考となるものであった。

保育士目線で建設された施設は、とても魅力的でした!

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