学び

午後、お世話になっている方から、金融経済教育について、レクチャーを受けました。

知っているか、知らないかで大きく異なる資産形成。
生涯賃金の話も、とても具体的で勉強になりました。
高校で今年度から始まった金融経済教育。

現場の状況も確認したいと思います。

夜、林塾のメンバー主催の
「政府は如何にして政策を決定するのか」
と題した、元、厚労省の官僚で株式会社千正組の千正康裕氏のオンライン講演会を拝聴。

・先送りできない「今そこにある危機」
・すべての人に不都合のない決定が困難
⇒コロナ禍の謎政策、、、今の政策決定プロセスの課題が色濃く表れた
⇒⇒社会保障はまさにそういう課題

・政策とは何か?
⇒政府独自のリソースを活用して、人々の行動変容を促し、社会課題を解決する営み
【政府独自のリソース:法規制やルール、予算、税制、執行、情報提供、PR、表彰、海外との協力】
⇒上記のリソースのベストミックスを検討
⇒政府だけでは効果がでない
※役所の政策自体で完結するのではなく、民間の活動とのコラボが大事

・厚労省には頭の良い人がたくさんいるが、、、
⇒法律が変わっても、理解してくれなければ単なる自己満足
⇒守ってくれているか分かっていない

・政策とビジネスの違い
⇒役所の仕事は、全国民に強制的に一つの商品を押し売りすること
⇒お客さんが商品を選べない
⇒が、お金は払わなければいけない
⇒また、政府はお客を選べない
※なので、多くの人が満足するよう、商品(政策)開発段階で事前の社会的合意が必要
【政策決定の複雑な調整過程】

・よい政策を作るのに必要なプロセス
1.詳しい人が徹底的に考える
2.できるだけ多くの人の意見をを聴く
3.政策を作った後の執行のことも考える

官僚主導の政策のつくり方
①各省の官僚が政策案を作成
【昔】様々な業種の方々と日常的に意見交換をしていた(業界各社が担当官僚を訪問したり、酒席で意見交換などを行っていた)が、不祥事事件が起きてしまった
【今】接待など不祥事事件などによって、国家公務員倫理法が制定され、官僚の情報収集ルートが減少し、政策立案能力が低下した

②審議会で意見集約(業界団体代表、有識者、自治体など)
【昔】労働組合などの中間組織がしっかりしていて、意見集約ができた
【今】労働組織などの組織率の低下などによって、意見集約が難しくなっている
※無党派層や既存団体に属さない者の意見が反映されにくいので。。。

③自民党政務調査会○○部会(事前審査制)
【昔】多様な支持母体を持つ議員からの意見
【今】支持母体の組織率の低下や従来の支持母体だけでは選挙に勝てない状況も。また、官邸主導の強化も。
※②と同様に無党派層や既存団体に属さない者の意見が反映されにくいので。。。

④国会での審議・採決・成立
【昔】【今】と変わらず。。。修正も行われるが、与野党の駆け引きもあり、国会対応で官僚が疲弊
課題は複雑化し、一つの省庁で正解を出すことが難しくなってきた

⇒政策決定は、
【ワイドナショー政治、SNS政治】
・これまで見えなかった政策のプロではない人の意見が顕在化し、政権支持率に影響を与えるようになった
・炎上による政策変更も増えた
⇒⇒短絡的な支持率を重視した性急な政策決定、専門性、実務との距離。。。
正解が分かり難くなった

より良い政策をつくるには・・・
①正しい情報収集(=常に現場や民間、人の生活の中にある)
②正しい課題解決の方法(=政策・事業の中身を考える)
③正しい戦略(=政策の中身を実現するため意見調整)
④正しい広報戦略(=③+実現後の普及・拡大)
⇒一人(機関)で、全てが出来る人はいない
⇒⇒セクターを超えてチームを作る必要がある

もはやパワーゲームだけではうまくいかない!
エビデンスとロジックが重要!
社会の理解も重要!!

官民の情報格差の壁
⇒協働
・プレーヤーの理解
・交流の場やネットワークをつくる
⇒政策とは何かを理解する

政策提案のポイントは、、、
・推進派を増やすことと、慎重派(強い反対派)を減らす取組を
・適切な人物に働きかけることが重要

・・・・・・・・

といった話が印象的でした。

状況は変わってきている中で、
生活者・現場でその政策がどう作用するか。
狙った効果を得るためには、
事前の情報収集や現場の理解が必要である、、、
当たり前のことではありますが、
丁寧な対応を心掛けなければいけない、、、と改めて感じました。

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