太田切川の現状

8月13日~15日の大雨(この間で543㎜)によって、太田切川は河床の浸食によって大きく変動しました。
この雨量は、昭和36年災を超える雨量

本日、天竜川上流河川事務所の佐藤事務所長をはじめ担当者の皆さん、工事関係者の皆さんからご説明を頂きました。

・三六災害では、136名の死者・行方不明者、8800戸以上の家屋被害があったが、その後の着実な砂防施設整備によって、土砂洪水氾濫を防止できた。
・今回は防止できたが、今後予想される気候変動の影響による大雨に対応するために更なる整備を推進していく必要がある。
・河川計画を見直す必要がある。

とのこと。

17日17時から23日17時まで通行止めとなっていた新大田切橋の状況。

橋脚の赤い線を引いたあたりに河床があったはずですが、、、水流で河床が掘削され、基礎部分が露出。
このことにより、道路管理者(駒ヶ根市)(と河川管理者(県))が更に降雨も予想されたことから、調査と緊急対応のために通行止めとしました。
で、被災箇所を流水から保護するために夜通しでブロック234個を投入(18日18:00~19日18:00)

20日から調査を行い、21日に国の橋梁専門家による調査も受け、監視付き(変動を確認するカメラ)で通行止めを解除。

太田切川の広範囲で被災した護岸や帯工(この橋の上下流でも帯工が流れている箇所あり)が確認されています。
新大田切橋のところについては、応急対策として下流に床固工(ブロック)を9月中に設置予定。

現状。
右岸もかなり浸食されていることが伺えます。
(川上から川下を見て右岸左岸と言います)

その後、本年度行っている渓流保全事業の箇所へ移動。

左岸の床固工などが行われますが、こちらも洗堀されていました。

その後、国道153号線の大田切橋付近へ。

こちらも、洗堀され、橋脚の基礎が露出していましたので、ブロックなどで保護をしています。
下記は大雨前。角度は違いますが、大田切橋の下の写真。

ブロックが大きく流されていることが分かります。
で、一定水量の雨量があったら、安全のために通行止めにする、、、としていたところ、9月4日に集中的に降雨があったので、20:30~0:30まで通行止めになりました。

雨量によらず常時通行できるようにするため、河床の復旧などを要望していきます。
また、河川内に橋脚があることが問題、、、との観点から、橋脚を河川内に置かない工法(大田切川にかかる中央高速道は、河川内に橋脚なし)も、伊駒アルプスロードでは要望すべき、、、と感じました。

その後、大久保井を調査。

やはり河床の低下によって、はるか上流から水の流れを誘導して取り入れています。
なので、増水するとすぐに巨石で詰まったり、流れが変わるなどで取水できなくなります。
河床の低下を抑え、安定した取水ができるよう要望しています。

最後に本年度(令和2年度事業)行う予定だった太田切川1.1㎞付近の護岸の基礎部分が洗堀されていた箇所の修繕状況と、大田原橋付近に土砂が堆積した状況等を説明を受けました。

全体的に洗堀されたりして河川の状況が大きく変わり、本年度の工事予定箇所も変容しています。

平成18年の豪雨の際、地元の消防団員として出動し、太田切川を先輩団員と見に行きましたが、「その時よりも水位は低いね(水量は少ないね)」と先日その先輩と話をしました。
が、、、本日の話を聞いて、そうではなく、河床が洗堀されたことによって水量は多くても水位は低く見えた、、、ということが分かりました。
護岸のブロック、帯工(通

ちなみに、今回の説明の前に大田切井の取り入れ口の現状を調査。

ちょっと見にくいですが、右中央にある赤褐色が取り入れ口の鉄格子。
本流にこれだけの水があるにもかかわらず、取り入れ口に水が回っていません。これでは水を取り入れることが出来ません。
河床が掘削されてしまい、低くなった影響です。
水田が水を必要としないシーズンになるのでしばらくは良いですが、来春までに何とかしなければいけません。

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